ネフローゼ発症の謎が解けた ②

血管内皮細胞は細胞同士が互いに結合して、血管の外に血液が漏れ出さないように働いています。また、血液中の物質が必要以上に血管の外にしみ出さないように物質を選んで透過させる働きもしています。
ストレスがかかって腎臓の血管で先祖返りが起こると、血管内皮細胞は大昔の血液細胞に戻ろうとして、管であることをやめてしまいます。その結果、細胞同士の結合がはずれ、まずたんぱく質が漏れ出し、最後には赤血球が漏れ出てきます。これがネフローゼという病気の真の姿です。
子どもも、ストレスがかかるとネフローゼを発症します。どちらかといえば大事に育てられたリンパ球の多い子どもが、ネフローゼになりやすいといえるでしょう。副交感神経が過度に優位な子どもは、精神的なストレスの影響をもろにかぶります。体もストレスに対する感受性が高く、羽目をはずして激しく遊んだり、運動強度の強いスポーツをしたりすると、それがストレスになって発症の引き金となります。
安保徹「薬をやめると病気は治る」本文より