尿蛋白って何?

尿検査で、尿に蛋白が混じっていますと聞いて、それがなにを意味するのかすぐにピンときますか?
遠い昔、高校生の時に尿の検査をしたことがあるような・・
尿検査をしたものの、その結果がどう体調と結びつくのか分からないのではないでしょうか。
私も、蛋白と言えば体の栄養素で、それが尿に混ざっているという、その漠然とした事実しか分かりませんでした。
尿蛋白とは尿の中に含まれているタンパクの総称で、尿検査での尿蛋白は、主にアルブミンがあるかどうかを調べています。
健康な人でも1日に少量(40〜120mg/日) の蛋白が尿へ排泄されているようですが、検査では陰性になるほどの微量のようです。
アルブミンは蛋白の中でも大きな粒子らしく、腎臓の糸球体と呼ばれる濾過器のようなところを通過できないので、尿中へはほとんど出ません。
また、小さな蛋白が糸球体を通過しても、その後、尿細管で吸収され血管内に取り込まれるのでこれも尿中へはほとんど排泄されません。
でも、腎障害がおきてこの糸球体や尿細管が障害されれば、蛋白を濾過・吸収する能力も低下するため尿検査での尿蛋白が陽性となります。
なお、この蛋白は栄養分など各種物質を運搬したり、病原体に抵抗する抗体を作ったり、代謝や体の働きのバランスを保つなど、多くの役割を果たしています。