怖い病巣感染

病巣感染とは、体のどこかに感染や炎症があり、それが原因で遠隔の臓器などに病気を引き起こす現象です。

三大病巣感染は、①扁桃 ②歯 ③慢性上咽頭炎と言われています。


以下は、IgA腎症の事例での引用です。


「IgA腎症で腎不全になり、IgA腎症ではない方の腎臓を移植しても50%の確率でまたIgA腎症になります。
逆に他の原因で腎不全になった方に、IgA腎症の方の腎臓を移植してもIgA腎症が治ってしまうことが多いと・・・これはIgA腎症は腎臓の病気ではあるが腎臓の外に原因があることを示唆しています」


ネフローゼの場合、慢性上咽頭炎副鼻腔炎も病巣感染の症例があるようです。

腎臓の組織検査をしても発症の原因が分からないとは・・
至極当然な成り行きに思えてなりません。

まさに、「木を見て森を見ない」です。



書籍には、病巣感染について詳しく説明が書かれています。
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「腎臓病を治す本」 堀田 修

宮城県仙台市の内科医、堀田修は30年にわたりIgA腎症の治療に取り組んできた。
腎炎は原因不明のものが多いが、人体の免疫システムが関わっていることが少なくない。堀田は炎症を起こしている扁桃を摘出し、副腎皮質ホルモン剤を大量に点滴する扁摘パルス療法によって多くの患者を救ったが、この治療ではおよそ2割の患者の血尿が止まらない。
そこで堀田は扁桃以外に細菌やウイルスが侵入する感染経路に着目し、慢性上咽頭炎が腎炎の発症に大きく関わっていることに気付く。
堀田が仙台社会保険病院に勤務して間もない2004年のこと、慢性上咽頭炎をもつIgA腎症の患者の上咽頭に塩化亜鉛を塗布し続けたところ、血尿が消えただけでなく、ネフローゼ症候群では再発が起こらなくなり、肩こり、頭痛などさまざまな症状にも改善がみられたのである。
咽頭が免疫システムに大きく関与していることに自信を得た堀田は、腎疾患にとどまらず、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症潰瘍性大腸炎などの患者に対し、慢性上咽頭炎の治療によって次々と効果を挙げていく』


『IgA腎症やネフローゼ症候群をはじめとする多くの腎炎、関節リュウマチクローン病潰瘍性大腸炎膠原病掌蹠膿疱症などの慢性的な免疫病(慢性免疫病)の多くは「病巣感染」である。特にIgA腎症においては歯科感染は、扁桃炎、鼻咽腔炎に次いで3番目の頻度の病巣感染で、歯科治療まで行わないと寛解にならない症例も考えておかなければならない』