定性検査・定量検査(尿中の蛋白検査)

蛋白は血液中に7〜8%含まれていて、腎臓(じんぞう)の「糸球体」という場所でろ過される。
しかし基本的に蛋白は、「尿細管」という部位で再吸収されるので、尿に含まれて排泄されることはありません。
ですが腎臓に障害や低下が発生すると、再吸収する機能が働かなくなり、尿中に蛋白が混じるようになります。


この尿中の蛋白検査の方法には2つの方法がある。
①定性検査─蛋白の有無を試験紙や試薬の変色の度合いで調べる。
定量検査─1日分の尿に含まれる蛋白の量を調べる。

*基準値(正常値)
・定性検査・・陰性(−)
定量検査・・1日100㎎以下

*異常値
・定性検査・・試験紙や試薬の色が変わる疑陽性(±)、または陽性(+)となった場合
定量検査・・1日の尿蛋白量が100mg以上

検査の採尿時に気をつけること
① 尿は朝起きてすぐに採取した早朝尿が最適です。
② 尿は出はじめと終わりを除いた中間尿を採取します。
③ 女性の場合、外陰部のよごれや膣の分泌物の混入を防ぐために陰部を清拭
  (きれいに拭く)したあと採尿します。
④ 雑菌の混入を防ぐため、採尿コップの中に指を入れないようにする。
また、尿検査の紙コップの底には◎(二重丸)の模様がありますが、これは尿の混濁(にごり)を調べるためにある模様です。
正常な尿では透明なので◎ははっきりと見えますが、尿に細菌や白血球などが多量に混ざっていると濁るため、◎がはっきりと見えません。
尿検査では、この濁りもチェックしています。