血尿・尿潜血とは

尿の通り道(尿路)である腎臓や尿管・膀胱などの臓器に異常が発生すると、尿の中にわずかに血液の細胞(赤血球)が混じることがあります。これを血尿(尿潜血)といいます。なお、尿には通常では赤血球は含まれていません。
血尿には大きく2つに分類されます。見た目で分かる「肉眼的血尿」、見た目では分からず顕微鏡でしか分からない「顕微鏡的血尿」です。

血尿と尿潜血という意味の違いは下記のとおりです。
■血尿───肉眼的血尿
目で見て明らかに血液が混じっていることが確認できる状態(0.1%以上の血液の混入)のことです。ピンク色やワイン色の尿、コーラ色のような黒っぽい尿、血の塊が混じる尿です。
暑いところで水分を取らずに働いたときなどに、色の濃い尿(濃縮尿)などが出ることがあります。また、ある種類の薬を服用すると尿に色がつくなど、血尿と誤って考えられることがあります。しかし肉眼的血尿の場合はがんや結石、尿路感染症などの大きな病気が発見されることが多いので、さらに詳しい検査が必要となります。一度でも肉眼的血尿があった場合は、たとえすぐに尿の色が普通に戻ったとしても必ず医師に相談しましょう。

■尿潜血──顕微鏡的血尿
尿の沈殿物を顕微鏡で400倍まで拡大し観察します。1視野に5個以上の赤血球が存在している場合には「血尿」と判断されます。会社の健康診断などで血尿と指摘された方は、ほとんどがこの顕微鏡的血尿(尿潜血)によるものです。ですから「尿潜血陽性が出た」などと言われるのです。

【尿潜血反応とは】
上記で説明したように、尿に赤血球が混じっているかどうかを調べる検査です。試験紙の反応を利用してわずかな血液の混入を確認するのが、尿潜血反応の検査です。