治療期間巡る40年の論争に結論 「小児ネフローゼ」の場合ですが

以下、サイトからの流用です。

ご参考にされて下さい。



難病で投薬中の副作用が大きな問題となっている「小児ネフローゼ症候群」について、投与期間の短長は再発率にほとんど差がないことが、和歌山県医大和歌山市)小児科の吉川徳茂教授らの研究で分かった。


吉川教授は「40年間論争があったが、結論が出た。2カ月の短期治療が主流になるだろう」と話しており、治療ガイドラインが見直されるという。


 吉川教授らの研究チームが29日、県立医大で発表した。この病気は原因不明の難病で、腎臓から大量のタンパク質が尿に漏れることで、血液中のタンパク質が減少し、全身にむくみが起こる。


日本で年間約千人がかかり、ステロイド剤を投与することでほとんどの患者が治るが、7割が再発し、そのうち4割は1年間に4回以上再発する「頻回再発」となる。


 ステロイド剤は顔が肥大する「ムーンフェイス」や精神変調、胃潰瘍、糖尿病、骨粗しょう症、成長障害、白内障緑内障、食欲が止まらないなど多くの副作用があり、再発防止と薬剤の副作用が問題になっている。


 薬剤の投与期間について、1960年代に国際小児腎臓病研究班が2カ月投与を提唱したが、70年代以降「再発率が抑えられる」として提唱された長期投与と、有効性について議論が深まり、約40年間結論が出なかったという。


 研究チームが約250人の患者を対象に臨床試験したところ、再発率や頻回再発率がほとんど変わらないことが分かった。

世界中の研究データをまとめ、世界で最も権威があるガイドラインを作る「コクランレビュー」では「3〜7カ月の初発時治療は2カ月の国際法治療に比べ、再発リスクを減らす」としていたが、今回の研究結果を受け、変更作業に入ったという連絡が吉川教授に届いたという。


また、国際腎臓学会や日本小児腎臓病学会のガイドラインも見直される見込み。


 日本小児腎臓病学会のアンケートでは、投薬期間は施設によって差があり、2カ月投与か、それに準じた方法が3分の2、長期投与(6カ月〜2年)が3分の1。


外国では国によって変わるが、コクランレビューを参考に、再発を避けるために長期投与を導入しているところも多いという。